事業紹介​

KASANEの事業開発

KASANEが開発する木育プログラムとは

私たちの考える「木育プログラム」とは、「木工教材」と「作り方の手順、道具の使い方、付随する背景や知識」を組み合わせて内容を構築した、一連の講座内容のことを指します。

木材加工に関することだけでなく、グループワークや座学、人や地域の課題、森の課題などを盛り込んで学びに繋げていくところが、私たちの木育プログラム開発の大きな特徴です。

KASANEのススメ方(教材が開発されるまで)

KASANE×地域づくり団体 「ウワミズザクラの鵜呑みフォーク」

事例(1)「未利用材を活用したい!」 

2020~2022年

関市富岡地域で行われた「森林環境教育」の中で伐採されたウワミズザクラ。

放置すれば土に還るけれど何か形にできないか?という会話をきっかけに依頼を受けて教材開発に着手しました。

小瀬鵜飼と絡めて関市らしさを学べる教材です。

① 地域づくり団体からの相談

「森林環境教育の講座でウワミズザクラの木を伐採するため伐った材を何か形にできないか?」という相談を受けました。

② フィールド調査

伐採現場(講座)の見学・ヒアリング調査

どうして伐採されることになったのか?や地域の願い、大人の願いを対話を通じて聞き取ったり、子どもたちの様子を観察したりします。
伐採された丸太を材料にするために加工(割り方)の依頼をします。この割り方が使える材料にするためにとても重要です。

③ デザインとプログラム(内容)の決定

“関市らしいもの”の調査やヒアリングで得た情報を基にデザインを考案。
 今回は「鵜飼」をピックアップしました。リサーチしたさまざまな情報の中から、関市の子どもたちに知っておいてほしいことを精査し、講座の内容を組み立てていきます。

④ 教材の加工(レーザーカッターでの加工:外注)

製材後十分に乾燥させた木材を薄板に加工、さらにレーザーカッターにより教材として制作します。刃物のまち関市だからこそ小刀を使うための教材にするため、長さや幅など細かい部分をオペレーターと相談し微調整します。

⑤ 地域づくり団体が実施する講座にて実施(講師依頼)

子どもたちがウワミズザクラを伐り出してから1年。

木が普段の生活の中で使えるものとして手元に還ってくる体験をしてもらいました。

「ウワミズザクラの鵜呑みフォーク」が出来上がりました

小瀬鵜飼と絡めて関市らしさを学べる教材ができあがりました。

「伐採した木を山に置き去りにすれば土に還る。それも一つの学びとなるけれど、せっかく使える材ならば、子どもたちに返したい。」

森林環境教育に携わる大人たちの願いが具現化されました。

KASANE×宮崎県×宮崎県高原町 :「竹カップ・ヒノキカップづくり」

事例(2)「隠れた地域資源を発掘し、観光へ繋げたい!」

2022~2024年

高原町産業創生課から、地域の高齢者が自ら講師を担える「高原町ならではの森育プログラム開発」とそれを担う人材育成につながるきっかけづくりの依頼を受け教材開発とプログラム開発、及びサポーター育成に着手しました。

① 自治体からの依頼

宮崎県が進める「みやざき森育」のモデルエリアとして選定された高原町からプログラム開発の依頼を受けました。

② 教材開発のためのヒアリング調査

地域の高齢者の皆さんに参集していただき、高原町が掲げる「水と緑と神話のまち」にちなんだ場所について幼少期の思い出を辿りながら教えていただきます。
※ヒアリング調査では「木育カフェ」という手法を使って聞き取りをします。

③ 教材開発のためのフィールド調査

地域のみなさんから教えていただいた場所を依頼主の行政職員の方々と共に実際にその場に出向き、周りの景観なども含め調査します。

④ 情報の精査

聞き取った内容、見てきたものを集合させ、「住民が考える町らしさ」と「町外の人から見た町の魅力」をチームで話し合い精査します。

⑤ 教材デザインとプログラム(内容)の決定

高原町では「湧水」が至る所にあるということと、町内の人でも湧水地に足を運ぶことが少なくなっているという課題を克服するためのプログラムを構築することになりました。

教材は「水を掬う道具」に決まりました。

⑥ 教材の加工

木工旋盤で加工したヒノキのカップ(外注)と孟宗竹を加工した竹カップ(自主制作)を準備します。

産業創生課からの依頼のため、事前の調査で町内で加工ができる人材を発掘し教材を開発しました。

竹のカップは地域の高齢者の皆さんが協力し伐採と加工をしてくださいました。

⑦ サポート人材の育成

当日、講座をサポートしてくれるスタッフの募集をし、地域づくりやモノづくりに興味がある高齢者の皆さんが集まりました。

当日の運営や注意点などについて現地講師とサポーターの人材育成研修を実施しました。

⑧ 町が実施するイベントにて講座を実施(講師依頼)

出来上がった教材を参加者とサポーターと共に完成品にしていきます。この森育プログラムでは「町を知る」ことも重要な課題であったため、作ったものを持って周辺を散策しました。

「竹カップ・ヒノキカップづくり」木育プログラムが出来上がりました

提供できる教材・プログラム

新しく開発する以外に、これまでに開発した教材・プログラムをご案内することもできます。

研修を受けられた方には教材を購入していただくことができます。

KASANE×ぎふ森フェス(自主開発)

クスノキの「虫こぶルーペ」

2020年/2023年ブラッシュアップ

なごや環境大学から森へ誘うWSを依頼され、温めていたアイデアである“クスノキの虫瘤を観察するルーペを開発しました。

その後何度か改良を加え、現在のクスノキの葉っぱのデザインに落ちつきました。レンズに傷がつかないように、レザークラフト作家にお願いして特注のケースもオプションでつけることができます。

KASANE×宮崎県(みやざき木育カリキュラム開発監修として)

スギとヒノキの箱膳教材「morihako」

2022年

 宮崎県で取り組まれている「みやざき木育」の中で生まれた教材です。私たちは開発・監修の部分で携わっています。

保育現場で働く保育士の皆さんとの意見交流の中で、宮崎県らしさに加え、使う子どもたちや現場の先生たちにとっても使いやすいものを追求しました。

地域産材を使用することで「その土地らしさ」を演出できる教材です。

KASANE×石川刃物製作所×岐阜県関エリア

オリジナル小刀ホオノキの「kodachi」

2020年

子どもでも女性でも使いやすいサイズ感、そして木工を楽しむ本格派でも満足できる切れ味を追求しました。

関市だからこその技術を持つ石川刃物製作所と共同開発した、参加者の手で柄を加工し完成させるカスタム小刀教材です。

KASANE×岐阜県各務原エリア(地域版ぎふ木育プログラム開発採択事業)

オニグルミの「プロペラナイフ」

2024年

「航空機のプロペラに木が使われていた!?」

この衝撃をきっかけに、オニグルミという材の特徴を理解してもらうために開発した教材です。

折しも2025年は日本にとって終戦80年。人の命と森と木の命に向き合うきっかけを作る教材です。

R6年度地域版ぎふ木育プログラム開発採択事業
https://www.pref.gifu.lg.jp/page/362954.html

KASANE×岐阜県養老エリア(自主開発)

ヒノキの「ひょうたんスプーン」

2020年

2020 「掬う」という同じ用途をもつ”ひょうたん”と”スプーン”。木工教材にできないか?という好奇心をきっかけに生まれた教材です。

養老の瀧近辺でのフィールド調査からひょうたんの最も美しい比率を聞き取りデザインしました。ティースプーンのようにくぼみのあるものではなく、アイスクリームを掬うスプーンです。

このスプーンづくりを通して岐阜の歴史にも触れることができます。

コミュニティサロンの企画や運営

自主活動として木育を手段としたサロンを企画運営しています。
そのノウハウを生かし、持続可能なコミュニティを作るためのお手伝いができます。

「Chopsticks Café」

2022年より毎年開催、木工の基礎知識を学んだ木工を楽しむ高齢者のための地域サロンです。

準備は木工道具と一杯のコーヒー。木材一つあれば何時間でも没頭できる空間を作っています。

お箸は2本で初めて機能する。
人も二人いれば助け合える。

そんな願いを込めたものづくりサロンを企画。月1回の頻度で運営しています。

「茶事加減」

Chopsticks Cafeの参加者からの要望を受けて企画した角材から手をつける「本格的スプーン」を作るための講座です。

スプーンは日本語で匙(さじ)、茶道における茶事(ちゃじ)を掛け合わせた名前の「茶事加減(さじかげん)」。

茶事のように少人数の参加者と心を通わせながら、心豊かに作る空気感を究極のおもてなしとして全5回の講座として運営しています。

ヒアリングや合意形成のためのオリジナル手法

子どもを真ん中においた地域づくりに真っ向から取り組んでいる北イタリアの“レッジョ・エミリア・アプローチ”視察を通して、地域づくりには合意形成の手法が必要であると考え「木育カフェ」「MOTTAINAI 工房」という2つの手法を開発しました。

「木育カフェ」

「木の小物づくり」と「ワールドカフェ」をドッキングさせたオリジナル手法です。手を動かしながら意見交流したりチームビルディングすることが主な目的です。

その様子はまさに現代版「井戸端会議」。

ただ闇雲に話すのではなくテーマやルールを決めて進行していくので、企業研修や地域ミーティング等での交流手法として活用できます。

”カフェ”はお茶を飲みながら他愛ないお喋りができる場所。そんな空間をお茶ではなく「木のものづくり」で作り出すプログラムです。

手を動かしながらお喋りしてアイデアを出し合ったり、チームビルディングしたり。そして最後には木の小物が完成している。木に触れあいながら相手の心にもそっと触れる、合意形成の手法です。

「MOTTAINAI 工房」

2014年レッジョ・エミリア・アプローチ視察からインスピレーションを受け考案した、合意形成プログラムです。

廃材を地球資源に見立てて、大人も子どもも役職年齢不問でフラットに共同作業をすることにより、SDGs研修や理念の共有などチームビルディング研修へカスタマイズできます。


今私たちが使っている全てのものは地球から素材を”頂いて”作られたものです。用途がなくなれば「ゴミ(廃材)」となる運命にあります。

ものづくりを突き詰めていくとその素材が「どこから来てどこへ行くのか」という思考の重要性を思い知らされます。

それは地球の未来を考えること(SDGs)であり、その思考法はものづくりに限らず、暮らしの中にも影響を与えているはずです。それを”遊び”を通して発見していくプロセスを楽しむプログラムです。    

依頼講座・研修など

私たちへの依頼は、木と森に親しむことだけでなく、木育を手段として、様々な地域課題に向き合う講座や研修依頼が多くなっています。

例えば、木育を手段とした「認知症予防講座」や、ノコギリの使い方を学ぶことを通して森林林業の課題に向き合う講座。地域ならではの文化を再認識する地域づくりのための講座など、全8回の本格的な人材育成研修も数多く構築してきました。

これまで行った講座や講演については「これまでの実績」をご覧ください。

▶︎これまでの実績はこちら